無駄に明るい

雑記帖

ギア2と意地

バイト先の忘年会でビンゴをしてたら自転車が当たったのが12月の29日とかそこら。私はそれよりもあらびき団が見たかった。私の席からは焼肉屋の小さいテレビは見れなかった。
そしてその自転車を社員さんの車に積みっぱで下ろしてもらったのが1月の10日くらい。自宅まで運ぼうとしたら変なおじさんが運んでくれた。重いものを運ぶ時に持つべきものは変なおじさんである。
そしてやっと封を開けて自転車を組み立てたそれが2月1日。乗った時はめちゃくちゃ不安だった。

簡単な組み立てだが私の不器用さというものは空よりも高く海よりも罪が深い。手を怪我しないか。急に壊れたりしないかヒヤヒヤしながら完成した自転車を外へ出す。
私の家はアパートの3階で階段の一段一段が恐ろしく高い。赤ちゃんが絶望してしまうレベルで高い。私は赤ちゃんではないので絶望しない。良かった。自転車は持ちにくい。移動手段に特化しすぎているのだ。オールマイティに生きて欲しかった。
やっと外に出てペダルを漕ぐ。実家に帰った時も自転車には乗ってないので本当に2年ぶりとかに乗るいや、1年くらいか?まぁ、そのくらいブランクがあるものだ。めちゃくちゃ怖かった、が案外行けた。周りの景色が1.5倍速で移り変わる。途中バイト先の同期の男子が目に止まる。ブレーキをかける。無事にかかる。安心する。たわいもない話をして私はまた愚直に自転車を漕ぐ。
体力がない。膝が15分も持たずにガタが来た。下を見るとギアが3になっていた。迷わず2にする軽い。1にしないのはプライドだ。私はまだ自分のことをパワータイプでありたいと思っているのかもしれない。
20分でお尻が痛くなった。オズワルドの漫才が脳内でリピートされる。ゴールデンレトリバーに乗りたいものだ。「行きでこんなに辛いのに帰りもこんなことするのかよ・・・」といいものを貰ったはずなのにまるで恩を仇で返すような感想しか思いつかない。人間なんて所詮エゴでしかない。
目的地の家電量販店には徒歩で1時間らしいが40分でついた。20分間浮いた。電車だと30分でつくらしい。10分損した。馬鹿でもできる録画機器を購入し帰る。頭のいい店員さんのおかげで安いものが買えた。餅は餅屋である。頼らないことも甘え。これで金返せショーもにちようチャップリンもネタパレも私のものだ。いい買い物が出来て上機嫌で家に帰るやけに足取りが軽い。ギアを1にした。プライドなんて甘えだ。